Claude APIで決算発表を自動分析|Beat/Miss判定の実装

AIシステム構築

シリーズ3本目です。

Claude APIをトレードに組み込む3つの実用機能|月額コストと始め方
【Claude API実践】AIに「文脈」でニュースを読ませる仕組み|プロンプト公開

今日は機能3:決算発表の自動分析をお伝えします。

決算発表後の30分で、Beat/Miss・ガイダンス・関連銘柄への波及を、AIが自動でまとめてくれる仕組みです。

胸ちゃんです。


この記事でわかること

  • なぜ決算分析こそAIの得意領域なのか
  • 発表直後の数分間で何が必要か
  • Claude Codeに渡した実装の全体像

決算発表の30分が勝負

決算発表って、出た瞬間に株価が動きます

特に米国株は、引け後〜時間外の動きが激しい。ガイダンスのちょっとした表現ひとつで、株価が10%動くこともあります。

私が昔やっていたこと:

  1. 決算発表を待つ
  2. プレスリリースを開く
  3. EPS・売上・ガイダンスを確認
  4. Transcriptを読む
  5. 「この数字はいいのか悪いのか」を調べる
  6. 関連銘柄への波及を考える

これで早くて30分。遅いと1時間かかります。

その間に値動きは終わっています。

「AIに判断させられないか」と考えるようになったのは、自然な流れでした。


なぜ決算分析はAIに向いているのか

決算情報は、実はAI向けの構造をしているんです。

① テキストデータが中心
プレスリリース、Transcript、決算資料。ほぼ全部テキストです。LLMの得意分野。

② 判断基準が明確
「EPSは事前予想を上回ったか」「売上は上振れたか」「ガイダンスは強気か」など、判断のフレームが定型化できる

③ 人間の感情が入りやすい
好決算でも株価が下がることがあります。「期待が織り込まれていた」ケースです。ここを冷静に判断するのは、人間にとって難しい。AIなら感情なしで判定できる。

④ 波及先が毎回似ている
米国の半導体大手の決算なら、関連する銘柄への波及パターンはある程度決まっています。AIに過去のパターンを踏まえて波及先を推定させることができる。


実装の全体像

親記事・子記事1と同じく、Claude Codeに渡す仕様書の形でお伝えします。

処理の流れ

  1. 対象銘柄の決算情報を取得
  2. Claude APIに決算内容を渡す
  3. Beat/Miss、ガイダンスの強弱、関連銘柄への波及判定を出力
  4. Discordに自動配信

データの取得元

米国株と日本株で、取得元が違います。

市場取得元特徴
米国株カンファレンスコールのTranscriptガイダンスのニュアンスまで拾える
日本株適時開示・業績ページ数値中心、コメントは決算説明資料

英語・日本語が混在するので、LLMのマルチリンガル対応が活きる場面です。

Claude Codeに渡した仕様(骨子)

目的:決算発表が出た直後に、AIが内容を分析して、
Beat/Miss・ガイダンス評価・関連銘柄への波及をまとめる。

入力:
- 対象銘柄(ティッカーまたは証券コード)
- 決算資料のテキスト(Transcript、プレスリリース等)

処理:
- Claude Sonnetに以下の項目を判定させる:
  1. EPS判定:BEAT / MISS / IN-LINE
  2. 売上判定:BEAT / MISS / IN-LINE
  3. ガイダンス:STRONG / IN-LINE / WEAK
  4. 市場の期待との関係:OVER / MEET / UNDER
  5. 関連銘柄への波及:PROCEED / CAUTION / AVOID
     (関連銘柄候補もAIに提案させる)

出力:JSON形式。
例:
{
  "symbol": "XXX",
  "eps": "BEAT",
  "revenue": "BEAT",
  "guidance": "WEAK",
  "expectation": "MEET",
  "related": {
    "candidates": ["A", "B", "C"],
    "direction": "CAUTION",
    "reason": "..."
  },
  "summary": "2-3行の要約"
}

後処理:
- Discordに要約+判定を通知
- コマンド1つで実行できるようにする
  例:`--analyze XXX` / `--analyze-jp 1234`

コマンド1つで動く設計

実際の使い方は、シンプルです。

米国株の場合:

python analyze.py --symbol NVDA

日本株の場合:

python analyze.py --jp 6525

これだけで、数秒〜数十秒後にDiscordへ結果が届きます。

決算発表を待ちながらコマンドだけ用意しておけば、発表後すぐに分析結果が手に入る

人間が資料を読むより、圧倒的に速いです。


「好決算でも売られる」ケースを見抜くために

AIに分析させる価値が一番出るのは、**「好決算だけど、期待を超えていないケース」**です。

人間は「好決算=株価が上がる」と思い込みがち。でも実際は:

  • 決算前に期待が織り込まれている → 材料出尽くしで下落
  • 四半期偏重で通期の持続性に疑問 → 評価される前に調整
  • 来期ガイダンスが弱い → 先行き不安で売られる

こういう「好決算なのに売られる」パターンを、AIは冷静に見抜いてくれます。

数字が良くても、ガイダンスがWEAKならCAUTIONを出す。

この判定が、決算プレイの勝率を大きく変えます


注意点

AIの判定が必ず正しいわけではありません

Claude Sonnetは非常に優秀ですが、完璧ではありません。特にガイダンスのニュアンスは、経営者の言い回しによって判定がブレることがあります。

私はAIの判定を最終判断そのものには使わず、意思決定のサポートとして使っています。

Transcriptの取得には工夫が要ります

Transcriptは無料で取れるケース、有料のケースがあります。

ご自身の運用スタイルに合わせて、データソースを選んでください。日本株の場合は適時開示+TDnet、米国株の場合はSEC開示や決算資料PDFが基本になります。

トレード成績を保証するものではありません

AIの判定によって損失を避けられるケースもありますが、損失が出るケースもあります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


まとめ

  • 決算分析はAIの得意領域(テキスト中心・判断基準が明確・感情が邪魔しない)
  • 米国株はTranscript、日本株は適時開示が起点
  • Beat/Miss・ガイダンス・波及を構造化して判定させる
  • 「好決算でも売られる」パターンを見抜くのがAIの最大の価値
  • Claude Codeに仕様を渡せば、非エンジニアでも実装可能

シリーズ完結

これでClaude APIを使った3つの機能をすべてお伝えしました。

親記事:Claude APIをトレードに組み込む3つの実用機能|月額コストと始め方
機能1:【Claude API実践】AIに「文脈」でニュースを読ませる仕組み|プロンプト公開
▶ 機能3:決算分析編(本記事)

機能2(朝のダッシュボード3行要約)は、記事にするほどの複雑さがないため、上記2記事の応用編として各自カスタマイズしてみてください。

月¥50以下で動く仕組み、ぜひ試してみてください。

では、今日はこの辺で。

胸ちゃんでした ♡


本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。ご自身の判断と責任においてご検討ください。

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